この記事では、元バレーボール選手の筆者が選んだ、マンガ「ハイキュー!!」のもう1度見たくなる好プレーをご紹介します。
前回につづき、今回はその2セット目として「ハイキュー2期」の好プレーを集めました。
2期で注目すべきは、“大王様”こと及川率いる「青葉城西」との戦い。
烏野と青城の戦いは常に激戦ですが、その戦いの中で多くの名場面が生まれていました。
それでは!ハイキュー!!への応援を込めて、経験者ならではの目線でハイキュー!!の好プレーを詳しく解説していきます!
あなたが好きなハイキュー!!の好プレーはありますかな?
動きのリアル度を重視し、コミックではなくアニメ版「ハイキュー!!」の中から厳選しています。
筆者が独自で選んだ好プレーなので、あらかじめご了承くださいませ。
また、ハイキュー!!劇場版などのアニメ作品で好プレーだと思ったものがあれば随時追記していく予定です。
筆者のバレーボール経験について少しだけ書いておきます。
バレーボール選手を、12年間していました。
ポジションは小学・中学はOH、高校と実業団ではOHとMBです。
春高には出れませんでしたが、夏のインターハイには1度出場しています。
高校卒業後は実業団に入りましたが、大ケガをして選手を引退。
引退後しばらくして、知人からの依頼でママさんバレーのコーチも経験しています。
個人情報保護のため、あえて学校名・実業団名等の公表はご容赦ください。
ハイキュー!!の推しキャラ |
澤村大地 |
木兎光太郎 |
好きなバレーボール選手 |
女子:宮下 遥選手 |
男子:髙橋 藍選手 |
生川高校のサーブ&ブロック
月の出
ハイキュー2期 第7話 月の出
(動画再生7:11ごろ)
サーブで崩してブロックで仕留める。
夏合宿において、生川高校が森然高校との練習試合中に見せた好プレーです。
バレーボールにおいてまさに理想的な攻撃パターンが、このサーブ&ブロック。
いかに、サーブで崩すことが重要であるか再確認できましたよね。
サーブで崩せば、ブロックのマークは絞りやすくなります。
実践したい、お手本のようなプレーです。
音駒・黒尾のブロック
ハイキュー2期 第7話 月の出
(動画再生11:06ごろ)
こちらも夏合宿中の自主練で見せた、黒尾の好プレー。
この黒尾がしたブロックは、高等技術です。
ハイキュー1期で伊達高の青根が見せたブロックと同じで、黒尾は梟谷の木兎がクロスに打つと判断し、わざとコースを開けました。
そして木兎がクロスに打つ瞬間、コースを閉めてブロックするというプレーです。
とにかくタイミングがむずかしいブロックなので、一朝一夕で出来るブロックではありません。
通常ブロックは、相手スパイカーの利き手側をマークします。
そこをわざと広く開けて相手に油断させ、打たせて仕留めるのですから、まさに“職人技”ですね。
実践で身に付ければ、空中戦での有利は確実。
バレーボールをしているなら、一度は決めてみたいプレーです。
梟谷・木兎のリバウンド
ハイキュー2期 第9話 VS“傘”
(動画再生12:55ごろ)
夏合宿中の自主練中に、木兎が見せた超絶プレーです。
リエーフの高いブロックを見た木兎は、あえて強打せずリエーフの手に軽く当ててリバウンドを取りました。
その後、切り替えてストレートに打ち直しスパイクを決めています。
この空中戦での判断が出来るか出来ないかで、試合の流れは大きく変わるんです。
高いブロックを前にしたとき、無理やり打つと高確率でブロックに掛かります。
しかし、そこをリバウンドで切り替えることが出来れば、チャンスはつづくので得点する確率も上がるわけです。
リバウンドはとてもむずかしい技で、相手の手に当てる力が弱すぎると上手く跳ね返らずチャンスボールにできません。
最悪、力が弱すぎてブロックに捕まることさえありますからね。
一歩間違うとミスにもつながるプレーですが、このリバンドを身に付ければ空中戦に余裕が生まれることは言うまでもありません。
烏野・澤村のレシーブ
ハイキュー2期 第12話 試合開始
(動画再生8:19ごろ)
春高予選の初戦。
扇南との試合中で見せた、澤村の好プレーです。
ブロックカバーに入っていた澤村は、扇南のスパイカーがフェイントに切り替えたのを見逃しませんでした。
澤村は、まるで待っていたかのように軽々とフェイントを拾いチャンスボールにしています。
実はこれ、簡単そうで出来ないプレー。
集中して相手の動きを見ることはもちろんですが、踏込みのタイミングがむずかしいんです。
前に出過ぎると後ろに落とされる可能性があるため、日ごろからフェイントを拾う練習を頻繁にしていないと、そのタイミング掴むことは出来ません。
きっと地味で苦しいレシーブの練習を、大地君はコツコツ頑張ったはずです。
澤村のレシーブの上手さが光る、好プレーでした。
中島猛のブロックアウト
ハイキュー2期 第16話 次へ
(動画再生:16:30ごろ)
烏野高校VS和久谷南高校戦での好プレー。
和久南のキャプテン・中島くんの身長は公式では173cmほどです。
バレーボール選手としては小柄な彼が得意としているプレーが、「ブロックアウト」。
実際に、自身より大柄な相手と対戦する際、小柄な選手が武器として使うことが多く、また、ボールがネットに近く強打がむずかしいときに技術のある選手はよく使います。
バレーボール経験者ならわかると思いますが、バレーボールにおいてブロックアウトは”超”がつく高等技術です。
タイミングはもちろんのこと、相手の手の向きや角度が見えていないと、ブロックアウトは狙えません。
相手の手がどこを向いているのか、甘いところはないかなど、一瞬で判断するので、センスだけではなく熟練度が必要になります。
また一歩間違うと、簡単にブロックされる、または狙い過ぎてアウトになってしまうこともあるので使いどころがむずかしい技でもありますね。
ブロックアウトの上手い選手は、ぶっちゃけブロッカー側にとって1番嫌な相手です。
黄金川のブロック
鉄壁は何度でも築かれる
ハイキュー2期 第19話 鉄壁は何度でも築かれる
(動画再生:5:42ごろ)
伊達高と青城戦において、このシーンは本当に素晴らしいです。
青城のキャプテン・及川にトスが上がり、ブロックの穴を見つけた及川はそこを狙いますが、伊達高の大型セッター・黄金川貫至(こがねがわ かんじ)によって、ブロックされてしまいます。
このシーンで黄金川はブロックに遅れており、そこを及川に狙われました。
しかし手足の長さを活かし、更にあきらめずブロックに行ったことで、1点をもぎ取っています。
アタッカーにしたら「うそッ?!今、ブロックなかったじゃん!」と、びっくりするような場面です。
穴だと思ったところに、急に手が出て来たら対処のしようがありません。
これをやられると並みの選手なら精神的ダメージは大きく、その後のプレーにかなり影響します。
どんなに遅れてもあきらめずに飛ぶと、ドシャットは無理でもワンチ(ワンタッチ)が取れるかもしれません。
それがチャンスに繋がり、やがては勝利という結果を呼び込むきっかけにもなり得ます。
黄金川のブロックは、「あきらめずに最後まで飛ぶ」ということの大切さを教えてくれました。
また、近年のバレーボールチームに、大型のセッターがいかに有効なのかを知らしめた好プレーだったのではないでしょうか。
西谷のトスアップ
ハイキュー2期 第20話 払拭
(動画再生:9:10ごろ)
青城から返った来たボールを、リベロである西谷が東峰にトスを上げて得点したシーンです。
このプレーは、相手をかく乱し動揺を誘う秀逸なプレーでした。
攻撃のバリエーションの広さは、時に相手を翻弄するからです。
ファーストタッチがセッターの影山であったため、青城の選手は油断しました。
通常ならツーで攻撃するか、2段トスになるような場面かもしれません。
そうなるとレフト、あるいはバックにいるアタッカー頼みになることがほとんどなので、ブロックの的が絞れます。
しかし、レシーブ専門のリベロである西谷がトスアップに入ったことで、攻撃の幅が広がり、誰が攻撃してくるのかわからなくなりました。
つまり、ブロックが絞れなくなるわけです。
実際この場面でも日向が速攻に入り、田中はレフトからの攻撃に備えて助走に入っています。
このシーンでの結果は、東峰がバックアタックをしたことで得点していました。
でも下手すると、ファーストタッチしたセッターが攻撃してくる可能性だってあったわけです。
この攻撃の後、青城の及川が「かぁーーーー!」と声を出して天井を見上げるシーンがあります。
「クソッ!やられた!」ということですね。
ツーセッターを取り入れているバレーボールチームは少なからずあります。
ですが、西谷のようなリベロがセットアップに入るような攻撃パターンがあれば、オフェンス力が上がることは間違いありません。
ちなみに、このリベロがトスアップに入る攻撃シーンは、1期の烏野VS青城戦で、青城のリベロ・渡もやったプレーです。
つまり、烏野としては”お返し”をしたということになりますね。
岩泉のレシーブ
ハイキュー2期 第24話 極限スイッチ
(動画再生:7:57ごろ)
春高インターハイ予選、烏野高校VS青葉城西高校の第3セット、接戦の中、東峰が撃った渾身のスパイクを岩泉が上げるシーンです。
因みにこのシーンの前にも、京谷のレシーブミスを岩泉がカバーしていましたね。
このディグ(スパイクレシーブもしくは繋ぎのレシーブ)のシーンでは、烏野のエース東峰のスパイクを、岩泉が見事に上げて得点に繋げていました。
ディグはむずかしくブロックとの連携も大切ですが、相手の動きを良く見ておくことが非常に重要になります。
特にアタックライン際のディグは、ボールのスピードも速いため反応するのも困難です。
このシーンでは青城のブロックが遅れ、ほぼノーブロックの状態でした。
東峰にとっては絶好のチャンスです。
しかし、ストレートに打った東峰のスパイクは、そのコースに飛び込んだ岩泉によって拾われてしまいます。
結果、岩泉のレシーブで青城は得点してます。
岩泉は東峰の手や体の向きをしっかり見て、ボールの落下地点に入ったということです。
じゃないと、取れん!
これを成し得たのは、選手の凄まじい集中力と勝ちたいという気持ち、そして日ごろからの練習で染みついた感覚であることは間違いありません。
岩泉は青城のエースで、東峰は烏野のエースですが、エースの渾身のスパイクをエースが拾ったところに痺れます。
このベストプレーは、岩泉の次の名言に集約されているのではないでしょうか。
“相手の完璧な一発を拾うレシーブの快感を知って良かった”
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!! セカンドシーズン」製作委員会・MBS
岩ちゃん、カッコ良すぎます!!
及川のスパイクサーブ
ハイキュー2期 第24話 極限スイッチ
(動画再生:9:33ごろ)
このシーンはプレーだけではなく、及川という1人の選手のメンタルに注目しました。
第3セット終盤、1点を争う一番苦しいときに、この強烈なスパイクサーブを打つ勇気があるか無いかでゲームの結果は大きく変わります。
それを及川は迷うことなくやってのけました。
結果はノータッチエース!
烏野を精神的にも体力的にも追い詰める会心の1本です。
サーブはバレーボールにおいて、もっとも重要なプレーであり、攻撃。
バレーボールのすべては、このサーブから始まるからです。
普通はサーブで相手の攻撃を崩し、チャンスに繋げることですが、味方にすればサービスエースほど有り難く、楽なことはありません。
ましてや、接戦のゲームであればなおさらです。
スパイクサーブは強烈で、スピードも他のサーブとは比べものにならない分、レセプション(サーブレシーブ)の難易度も上がります。
相手側のコートに入れば、チャンスの確率は一気に上がるんです。
スパイクサーブはむずかしいため、ミスも多くなります。
しかし、決まったときの相手側のダメージは、このサービスエースのシーンを見ればわかるのではないでしょうか。
やっぱ大王様は、スゴかった!!
影山のツーアタック
極限スイッチ
ハイキュー2期 第24話 極限スイッチ
(動画再生:15:00ごろ)
烏野VS青城、第3セット終盤、烏野がギリギリで青城に追いつき、チャンスボールから烏野の攻撃に移るときに描かれた場面です。
もうね、絶妙すぎます!
アニメ見たときには、スゴすぎて笑いました。
メンバーチェンジで入った菅原がファーストタッチだったため、ツーセッターからの攻撃はつぶれたと青城は判断します。
つまり菅原がトスを上げて、同じくセッターの影山が攻撃をするというパターンは無いと青城は思ったわけです。
恐らくこのシーンを見た9割の人は、誰かがスパイクを打つと思ったのではないでしょうか。
しかし影山は、ツーアタックで烏野をマッチポイントに導きました。
このシーンがいかにスゴイかと言うと、接戦のゲームで、どうしても欲し1点を取りに行くという決断から、ツーアタックを選択したことです。
状況にもよりますが、絶対に欲しい1点を取りに行くときは確率の高いスパイクやサーブで得点を狙うことがほとんどなのに、影山はあえてツーアタックを使いました。
ツーアタックはモーションを相手に悟られると、途端にブロックされ失敗し、下手すると一気に流れをもって行かれる可能性があります。
使いどころがむずかしいため、タイミングの見極めが非常にシビアなプレーです。
影山は現状を把握し、「ここしかない!」と思える絶妙なタイミングでツーアタックを使いました。
ツーアタックは相手チームだけではなく、味方や見る者すべてを欺くプレーです。
味方にとっては最高でも、相手にとっては悪夢の攻撃であることは言うまでもありません。
ハイキューではツーアタックのシーンが良く出てきます。
しかしその中でも、このツーアタックのシーンは、筆者の中ではベスト1です!
ハイキュー2期 好プレーまとめ
今回は、ハイキュー2期の中から好プレーを厳選してご紹介しました。
読んでいただいてお気づきになったと思いますが、バレーボールの好プレーって、派手な攻撃よりも守備の方が多いんです。
試合中、1番盛り上がるのは、ナイスレシーブ、ナイスブロックしたときがもっとも盛り上がります!
豪快なスパイクも最高にカッコイイですが、バレーボールほど守備がおもしろいスポーツは無いです。
ボールを落としたら負けのスポーツですからね!
ハイキューを通じて、バレーボールの守備の奥深さがもっと伝わるとうれしいなぁと思っています。
それでは今回はこのへんで!
最後までご覧いただきありがそうございました!
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