この記事で、元バレーボール選手の筆者が選んだ、マンガ「ハイキュー!!」のもう1度見たくなる好プレーをご紹介します。
今回はその4セット目として、「アニメ ハイキュー4期」の中から好プレーを集めました。
シーズン4( to the top )で注目すべきは、「思いでなんかいらん」でおなじみ強豪校「稲荷崎高校」戦です。
高校ナンバー1セッター「宮 侑(みや あつむ)」を、烏野高校はどんな好プレーで攻略していったのか?
胸が熱くなる数々の名場面をもう1度振り返ります!
それでは、行ってみましょう!
動きのリアル度を重視し、コミックではなくアニメ版「ハイキュー!!」の中から厳選しています。
筆者が独自で選んだ好プレーなので、あらかじめご了承くださいませ。
また、ハイキュー!!劇場版などのアニメ作品で好プレーだと思ったものがあれば随時追記していく予定です。
筆者のバレーボール経験について少しだけ書いておきます。
バレーボール選手を、12年間していました。
ポジションは小学・中学はOH、高校と実業団ではOHとMBです。
春高には出れませんでしたが、夏のインターハイには1度出場しています。
高校卒業後は実業団に入りましたが、大ケガをして選手を引退。
引退後しばらくして、知人からの依頼でママさんバレーのコーチも経験しています。
個人情報保護のため、あえて学校名・実業団名等の公表はご容赦ください。
ハイキュー!!の推しキャラ |
澤村大地 |
木兎光太郎 |
好きなバレーボール選手 |
女子:宮下 遥選手 |
男子:髙橋 藍選手 |
椿原・姫川の天井サーブ
ハイキュー4期 11話 繋がれるチャンス
(動画再生15:40ごろ)
烏野、春高初戦。
椿原学園高校との試合で、椿原・姫川が見せた天井サーブは好プレーです。
天井サーブは近年のバレーボールの試合において、めったにお目にかかれるサーブではありません。
アンダーハンドから天井に向けて高く打ち上げるサーブですが、これがかなりの曲者。
スパイクサーブのような破壊力はないのですが、実に取りずらいサーブです。
まず、高くあがったボールは落下しながらスピードを上げるため、レシーブするときに膝で勢いを殺さなくてはなりません。手先だけでは、セッターにきれいに返すことは出来ないからです。
オーバーハンドで取ろうとしても、思いのほか勢いがあって後ろに弾いてしまうこともあります。
おまけに、高く上がるのでボールの落下地点がわかりずらい・・・・。
体育館の天井には照明があり、また体育館によっても天井の高さが違うので、天井サーブの攻略には少し時間が掛かります。
この天井サーブを使う選手は少ないですが、もし見る機会があれば、その返球のむずかしさに驚くはずです。
ちなみに、1964年~1976年の全日本男子全盛期、猫田 勝敏(ねこた かつとし)さんという、1人の天才セッターがいました。
バレーボールをガチでやったことがある人なら、1度は名前を聞いたことがあるはず。
未だに伝説と呼ばれる、世界一のセッターです。
そして、天井サーブの生みの親でもあります。
YouTube等で、猫田選手の天井サーブを探してみましたが見つけることが出来ませんでした。
ただ、天井サーブで検索すると多数投稿がありましたので、興味のある方は1度チェックしてくださいね。
烏野・影山のカバー
「失恋」
ハイキュー4期 16話 失恋
(動画再生6:03ごろ)
バレーボールは、ボールを落としたら負けの競技です。
だからこそ、選手は必死にボールを追います。
この影山のプレーがまさにそれ!
澤村のサーブカットが乱れ、相手コートの外にボールは飛びました。
しかし、影山はネットをくぐり、あきらめずに拾います。
影山が拾ったボールは烏野コートに戻り、東峰がブロックアウトを決め得点しました。
バレーボールのルールでは相手コートであっても、マーカーの外・アンテナの外側から味方コートに返球するのはOKです。
粘ったプレーで得点すると、チームに勢いがつきますね。
気合の入ったレシーブは、味方に流れを引き込む好プレーであることは間違いありません。
烏野・田中の超インナースパイク
ハイキュー4期 16話 失恋
(動画再生19:07ごろ)
稲荷崎戦1セット目、田中は目立った活躍が出来ずにいました。
連続してブロックに捕まったり、打ったスパイクはアウトになったりと調子を掴めません。
ですが日向の励ましもあってか、落ち込んでいた田中は自力で立ち直ります。
そして、飛び出した好プレーが、超インナースパイク!!
田中ファンにはたまらん!!
ちなみにアタックライン手前のインナースパイクは、肩の柔軟さ+ボディコントロールが必要で非常にむずかしい技。
田中のように、試合中に凹むことは結構あります。
しかし、まわりからの励ましがあったとしても、最後に立ち直るのは自分自身。
「自分に打ち勝つ」ことの大切さを教えてくれた、田中の好プレーでした。
「できるまでやればできる!」
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
稲荷崎・宮侑のジャンフロ
ハイキュー4期 19話 最強の挑戦者
(動画再生0:10ごろ)
この戦術は、実に深い!
しかも、2本連続のサービスエース。
すでに2セット目から西谷は狙われていたんですが、そこに畳みかけるような攻撃的サーブでした。
ジャンプフローターは威力こそないですが、ボールが無回転に近いため変化します。
その変化は、伸びたり、落ちたりと予測がむずかしく取りずらいんです。
「レシーブを得意とするリベロを狙って崩し、チーム全体を精神的に追い詰める」というこのプレーは、非常に理にかなった作戦だと言えます。
烏野・影山の1枚ブロック
ハイキュー4期 20話 頭
(動画再生21:01ごろ)
稲荷崎のエース・尾白アランを1枚でキルブロックした好プレーです。
1枚ブロックは、本当にむずかしい。
この尾白のスパイクの前、宮治(みや おさむ)が打つと見せかけて、尾白にトスを上げています。
ミドルブロッカーの月島とレフトの東峰は、このフェイクに引っかかりました。
ですが、影山は見逃しません!
しっかりタイミングを取ってから大きく手を広げて、尾白のコースを塞ぎました。
この技がむずかしいのは、タイミングとブロックの面積。
手を広げ過ぎてしまうと間を抜かれてしまうし、閉じ過ぎてもコースを空けてしまいます。
相手の手の向きや角度をしっかり見ないとできません。
烏野の中でブロックと言えば月島ですが、影山も同じくらいブロックが上手いことは間違いないですね。
稲荷崎・宮侑セットアップ
ハイキュー4期 21話 ヒーロー
(動画再生20:21ごろ)
「ヒーロー」
3セット目、10対7と烏野リードの場面。
サーブは山口。
尾白はレシーブを乱され、烏野にチャンスボールが来ます。
東峰のスパイクを稲荷崎・リベロ赤木路成(あかぎ みちなり)は拾いますが、レシーブが詰まり返球が乱れました。
セッターへの返球は超低空。
宮侑は、そのボールをアンダーではなく、オーバーハンドでセットアップします。
このプレーは本当に素晴らしい!!
まさに、セッターの鏡!
通常、低いボールはどうしてもアンダーハンドで上げたくなるものです。
ですが宮侑は、低い姿勢から素早くボール下に入り、オーバーでトスを上げました。
アンダーでのトスはボールのコントロールがむずかしく、少し荒くなります。
一方、オーバーで上げたトスはボールを支える面積が広いため安定するんです。
つまりスパイカーが打ちやすいトスになります。
実際、上手いセッターほど宮侑がしたようなプレーは多いです。
しかし、なかなか出来るプレーではありません。
少しいじわるな性格の宮侑ですが、実は誰よりも献身的なセッターだとわかる見事な好プレーでした。
烏野・日向のディグ
ハイキュー4期 22話 ハーケン
(動画再生14:17ごろ)
思わず「教科書に載せてください!」と言いたくなる日向の好プレーです。
3セット目終盤、稲荷崎に返って来たチャンスボールを宮侑が宮治にトスします。
宮治がそのまま攻撃してくると思いきや、宮治はおとり。
宮治はすぐさま体制を切り替えて、レフト・尾白にトスします。
(これも思わず唸っちゃう好プレー!)
完全にブロックを振られた烏野は、澤村の1枚ブロックになりました。
尾白はスパイクをストレートに打ちましたが、そこに居たのが日向!
強烈なスパイクを正面で受け、体勢を後ろに引きながらボールの勢いを殺しレシーブ!!
高くセッターの頭上に上がったボールは、正真正銘のナイスレシーブでした。
マンガ・アニメの世界とは言え、気づいたら拍手してましたよ。
こういったレシーブは、相手チームへの精神的ダメージが大!
逆に味方チームには自信と勇気をくれます。
士気が上がったチームには勢いが出るので、勝利をグッと引寄せるんです。
この日向のような好プレーは、本当に貴重な1本であることは言うまでもありません。
ボール拾いからレシーブを学んだ、実に日向らしい好プレーでした。
烏野・田中の極上ラインショット
ハイキュー4期 23話 静かなる王の誕生
(動画再生14:12ごろ)
ある意味このシーンにおいては、田中のプレーを引き出した烏野・セッター影山の好プレーとも言えます。
「16話:失恋」で見せた田中のインナースパイクも効いていましたね。
田中と言えば、ストレート打ち。
ラインギリギリのストレート打ちは、高等技術です。
相手ブロックを見る冷静さと集中力が少しでも欠けると、アウトになりかねません。
また、アンテナが壁となってブロックの隙間を通すのもむずかしいスパイクです。
一時は、「自分に上げるトスを減らしてほしい」とお願いした田中でしたが、影山は田中の攻撃が必要だと判断。
影山がトスしたボールはアンテナまで伸び、田中の極上ラインショットにつながりました。
プレッシャーを跳ねのけ、チームの期待に応えた田中の姿にシビレます。
カッコ良死するぅーーーー!
烏野・東峰のタイミングを変えたスパイク
ハイキュー4期 24話 バケモンたちの宴
(動画再生10:30ごろ)
烏野にマッチポイントを引寄せた、東峰の好プレーです。
3セット目27対27の同点。
接戦の中、ブレイクしたい烏野にチャンスボールが来ます。
田中の粘りのレシーブから、影山は烏野エース・東峰にトスを上げました。
稲荷崎のブロックは3枚。
ここで東峰は合宿中に練習していたスパイクを使います。
それは滞空時間を長く保ち、相手ブロックが下がるタイミングを見計らって打つスパイク。
しかし、タイミングをズラして打つスパイクは効果的ですが、少しでもタイミングがズレると軽いスパイクになってブロックされます。
自分のモノにするには、相当な努力が必要な技なんです。
試合終盤で体力は限界、未完成であろう賭けとも言えるこのスパイクを、東峰は土壇場で決めてみせました。
メンタル弱めの烏野エース東峰ですが、やはり“ここで”という場面で決めてくれましたね。
スパイクを決めた後、人差し指を上に向けた東峰がやたらカッコイイ!!
さずが、エースです!
烏野・日向の高くやさしいファーストタッチ
「バケモンたちの宴」
ハイキュー4期 24話 バケモンたちの宴
ハイキューには多くの名場面があります。
好プレーであったり、名ゼリフであったり、どれも見入ってしまうシーンばかりです。
もし、「ハイキューの中で、もっとも印象深く感動する場面はどれですか?」と聞かれたら、
あなたはどのシーンを選ぶでしょうか?
「オーラーイ!」
日向が上げた、高くてやさしいセッターへのレシーブ。
筆者は迷わず、この場面を選びます。
このシーンを見たとき、思わず原作者の古舘先生に「ありがとうございます」と感謝したほどです。
バレーボール経験者らしい、素晴らしい演出でした。
そして、菅原くんと同じく泣きました。
烏野はマッチポイントを掴み、勝ち急ぐあまり動きがドンドン速くなってしまいます。
本当は大切な場面だからこそ、落ち着いてプレーしなくてはなりません。
しかし、勝ちたいという気持ちが冷静さを消してしまいました。
テンポが速くなるとミスをする可能性が上がります。
プレーは雑になり、視野は狭く、余裕も無くなるからです。
スパイカーは十分な助走が取れず高いジャンプができません。
セッターのトスがブレて、ブロックにつかまることも考えられます。
しかし、日向はそのテンポを元に戻すように高くやさしいレシーブで時間を作り、影山にボールを返しました。
このレシーブは、とてもシンプルでささいなものですが、もっとも大切なプレーの1つです。
「味方に呼吸をさせるファーストタッチ」
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
まさに、この言葉がぴったりの”超“がつく、日向の好プレーでした。
ハイキュー4期の好プレー まとめ
今回は、アニメ ハイキュー4期から好プレー・名場面をご紹介しました。
烏野高校と稲荷崎高校の試合は見どころが多く、好プレーもたくさんありました。
どのプレーも参考になるものばかりで、厳選するのに苦労しましたよぉ。
特に影山VS宮侑のセッター対決は、思わず「おぉ!」と声が出るほどの好プレーばかり。
原作を読んで結果を知っていてもアニメで見直すと、その臨場感に手に汗握ります。
ハイキューが連載終了後も未だに人気なのは、そのリアルさ。
まるでその場で見ているような感覚になります。
そして、非現実的な技術ではなく、実際に可能なプレーが多いと感じました。
まるでバレーボールの教本。
原作者の古舘春一先生はバレーボール経験者だけあって、本当によくご存じだなと感心した次第です。
また、ハイキュー4期のつづきを描いた劇場版「ゴミ捨て場の決戦」も最高の作品でした。
劇場版の終わり方が、「これはつづきあるよね?」という終わり方だったので、次回作を待ちたいと思います。
ゴミ捨て場の決戦!号泣した!
それでは今回はこのへんで!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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