アニメ『平家物語』解説と感想

フジテレビ系列動画配信サービスFODで先行配信され、2022年にはフジテレビ「＋Ultra」ほかで放送されるようになった、アニメ『平家物語』。

正直、このアニメについてはあまり興味がありませんでした。

原作を読んだことがあると、個々のイメージが出来上がっているため、「うまく表現できるのかな？」という疑問をもっていたからです。

ですが、実際に出来上がったアニメを見てみると、「すみません。日本のアニメ技術をなめてました」と素直に思えるほどの作品でした。

ということで、今回は、アニメ「平家物語」の魅力と、それに関する情報をご紹介します。

歴史が苦手な人でも、わかりやすく解説しているので、ぜひご覧ください。

2022年9月の情報です。

サイト内の情報は予告なく変更される場合があります。予めご了承くださいませ。

アニメ「平家物語」最新情報

アニメ「平家物語」スタッフ

注目してほしいのは、アニメ全体の絵の美しさ。

日本を全面的に押し出した絵のタッチと、人物の動きはとても見やすく、引き込まれます。

原作

古川日出男訳 「平家物語」 河出書房新社刊

監督

山田尚子

脚本

吉田玲子

キャラクター原案

高野文子

キャラクターデザイン

小島崇史

美術監督

久保友孝（でほぎゃらりー）

動画監督

今井翔太郎

色彩設計

橋本賢

撮影監督

出水田和人

編集

廣瀬清志

音楽

牛尾憲輔

音響監督

木村絵理子

音響効果

倉橋裕宗（Otonarium）

歴史監修

佐多芳彦

琵琶監修

後藤幸浩

アニメーション制作

サイエンスSARU

出典：（C）「平家物語」製作委員会

アニメｰション制作会社は「 サイエンスSARU 」。

2013年に設立後、「夜は短し歩けよ乙女」「ピンポン THE ANIMATION」で数々の受賞歴を持つ、アニメーション制作会社です。

また、2020年～2021年のあいだに成果を残した組織として、ゴールデン・カープスターを受賞しました！！

サイエンスSARU が手掛けるアニメーションは、本当に独特。

1度見たら、忘れませんね。

最近では、2022年公開の劇場版アニメ「犬王」でも注目を集めました（原作は古川日出男氏の「平家物語 犬王の巻」）。

ちなみにこの「犬王」、平家物語＜#5 橋合戦＞で登場し、平家と共に壇ノ浦に沈んだとされる「三種の神器」が、室町時代に引き上げられたところからはじまります。

つまり！

平家が滅んでからなんと200年後のお話！

アニメ「平家物語」声優

声優陣を見てお分かりのとおり超豪華！これだけでも、見る価値あります。

平家物語は登場するキャラクターの心情が複雑に絡み合うことが多く、それを表すには、大変な演技力が必要になります。

しかし、出演されている声優さんたちの演技が本当にすばらしく、特に平重盛役の「櫻井孝宏さん」、徳子役の「早見沙織さん」の切ない心情を表現した演技は、さすがの一言。

アニメ平家物語の魅力は、この声優さんたちの「演技力」と言っても過言ではありません。

びわ

悠木碧

平重盛

櫻井孝宏

平徳子

早見沙織

平清盛

玄田哲章

後白河法皇

千葉繁

平時子（衹王）

井上喜久子

平維盛

入野自由

平資盛（幼少期）

小林由美子

平資盛

岡本信彦

平滋子

坂本真綾

平経子

本名陽子

平清経

花江夏樹

平宗盛

檜山修之

高倉天皇

西山宏太朗

平敦盛

村瀬歩

平知盛

木村昴

平重衡

宮崎遊

静御前

水瀬いのり

源頼朝

杉田智和

源義経

梶裕貴

弁慶

大塚明夫

「平家物語」のあらすじは簡単

「平家物語」といわれると、「なんかむずかしそう」と思う人は多いです。

歴史物って、人間関係や歴史背景が複雑ですからね。

本やマンガを読んでいても、「これ、誰だっけ？」「理由はなんだっけ？」と思うことがあります。

ということで、平家物語をめちゃくちゃ簡単に説明します。

ズバリ！平家物語とは･･･

「調子に乗った平家が、源氏にボコボコにされる」お話です。

「それじゃ単純すぎて、逆にわからん！」

という方のために、もう少しわかりやすく説明します。

今回は、マンガ「HUNTER×HUNTER」のゾルディック家を例にしてみましょう。

と、簡単にまとめるとこのようなお話です。

アニメ「平家物語」の主人公「びわ」がいうセリフ「平家は滅亡する」という言葉は、これを意味するわけです。

この例でいうと、イルミが源頼朝、キルアが源義経（牛若丸）となります。

簡単にいうと＂危ない人＂だったとか。

わがままで、やさしくもなければ、正義感が強かったわけでもない・・・。

破天荒でただの「喧嘩好き」という話もあり、現代に知られている義経はかなり美化して描かれているようです。

そんな義経を敵にしたのですから、平家のみなさんもたまったもんじゃありませんよね。

まぁ、こういった歴史のお話というのは、戦に勝利した側が＂盛って＂書き残していることが多いため、真実はわかりません。

ということで、平家物語はむずかしそうだけど、実は「単純」というお話でした。

アニメ「平家物語」あらすじ

【祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす】

平安時代の末期。

平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていました。

ある日、亡者が見える目を持つ男・平重盛は、琵琶法師の少女・びわに出会います。

そして、未来が見える目を持ったびわに、「お前たちはじき滅びる」と予言されるのです。

貴族社会から武家社会へ、日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開けます。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

1話　平家にあらざれば人にあらず

平安末期の京都。

平家一門は、権力・武力・財力、あらゆる面で栄華を極めようとしてしました。

天皇をもしのぐ勢いで野心を募らせる父・平清盛を危うく感じる長男の重盛は、ある夜、邸内で琵琶法師の少女・びわと出会い、平家の滅亡を予言されます。

重盛とびわには、ともに見えないものが見えるという「目」を持った、共通点がありました。

オッドアイの主人公びわが、非常に印象的な1話です。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

2話　娑婆の栄華は夢のゆめ

重盛の息子、資盛が天皇の摂政に無礼を働いて制裁を受けます。

それに清盛が報復したことで、平家に対する批判が噴出します。

重盛は資盛を伊勢に謹慎させ、自身も職を辞することで少しでも批判を治めようとしますが、清盛は、それがおもしろくありません。

そんな中、重盛の妹、徳子が後白河法皇の息子・高倉天皇に入内することが決まります。

ある日、びわは徳子が激流に飲まれ溺れる夢を見てしまい、徳子に「行くな」と止めますが、その願いが届くことはありませんでした。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

3話　鹿ケ谷の陰謀

維盛・資盛・清経らとともに、厳島神社にびわも行きます。

徳子が、入内して6年しても子を授かる気配がなかったからです。

徳子のために、一行は厳島神社で舞と祈祷を捧げます。

一方、後白河法皇と対立する僧たちからの訴えに頭を悩ませる重盛。

さらに、その裏では、源氏の力を借りて平家を討つ密議が交わされようとしていました。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

4話　無文の沙汰

待望の御子を授かった徳子でしたが、病床に臥せってしまいます。

見舞いにきた重盛が片目で周囲を見ると、密議の陰謀で処分された者たちの怨霊がうごめいていました。

恩赦によって流罪になった者たちが解放され、徳子の息子は無事産まれますが、平家の立場はいっそう難しいものとなっていきます。

この回のラストは、泣けます。

物語の、ターニングポイントといってもいいでしょう。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

5話　橋合戦

重盛が亡くなり、「未来が見えても変えることはできない」と、びわは嘆きます。

そして、びわの左目は、いつの間にか重盛の目と同じ色になっていました。

重盛に代わり、弟の宗盛が平家の頭領になりますが、後白河法皇は平家の勢力を削ごうと動き始めます。

これに反発した清盛は、三種の神器とともに、幼い安徳天皇の即位を急ぐのでした。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

【三種の神器とは？】

歴代の天皇が継承してきた、「鏡・玉・剣」のことです。

●八咫鏡（やたのかがみ）
●八尺瓊勾玉（やさかにのまがたま）
●草薙剣（くさなぎのつるぎ）

6話　都遷り

平家への風当たりが強まり、京からの遷都が決まります。

慌ただしく引っ越しの準備をする資盛・清経・びわたちは、たどり着いた福原の海岸で、いとこ違いの敦盛と出会います。

月を見ながら笛を吹き、束の間の交流を楽しむびわたちでしたが、清盛の邸では物の怪による変事が相次いでいました。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

７話　清盛、死す

伊豆に流罪になっていた源頼朝が、遂に後白河法皇の院宣を受けて挙兵しました。

総大将に任命された維盛率いる平家の兵は富士川の戦いであえなく敗走し、平家の没落が色濃なります。

そんな中、年明けに高倉上皇が危篤状態に陥り、清盛は徳子に今後の身の振り方を提案しますが……。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

８話　都落ち

清盛の死に動揺する一門を離れて、母探しの旅にびわ出ます。

平家と源氏の戦の状況を耳にするなか、奮闘する知盛や重衡らを尻目に、頭領の宗盛は京で宴三昧の日々を送っていました。

源氏側につく者が増え、維盛は木曽義仲に大敗。

引き返せないほど、精神的に追い詰められていきます。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

９話　平家流るる

平家一門は京を捨てて、西に流れます。

そんな中、入れ替わりで源氏の白旗がはためく京にびわが戻ってきました。

びわは、静御前たちとともに丹後をめざしますが、後白河法皇が後鳥羽天皇を擁したことで、かつて重盛に仕えていた者たちも、次々を源氏に寝返っていきます。

福原から落ち、大宰府からも拒否された平家一門は、疲弊しながら歩き続け、とうとう海まで追いやられるのでした。

＃9話の見どころは、何と言っても「源義経役：梶裕貴さん」と「弁慶役：大塚明夫さん」の登場です。

この2人の人気声優さんによって、さらに平家物語が盛り上がってきました。

ついに平家滅亡へのカウントダウンがはじまった平家物語！

ぜひ、お見逃しなく！

出典：（C）「平家物語」製作委員会

１０話　壇ノ浦

旅先で母と再会したびわは、平家の行く末を見守り祈り続けることを決意し、一門に戻ります。

しかし、清経が入水し、また、敦盛も一ノ谷の戦いで戦死していました。

捕らえられた重衡は鎌倉に送られ、平家はひとりまたひとりと欠けてゆきます。

維盛は苦しみに耐えかねたすえ出家を決意し、最後にびわと言葉をかわすのでした。

維盛とびわの会話、維盛の結末には、胸がギュっとなります。

出典：（C）「平家物語」製作委員会

１１話　諸行無常

季節は冬から春になり、決戦は屋島の戦いから壇ノ浦へ。

源氏の若き総大将・義経が追り、激しいうず潮に源平の舟が入り乱れるなか、イルカの大群が押し寄せます。

風向きが変わり、平氏の敗北と滅亡が目前に迫っていました。

宗盛と知盛はみんなを勇気づけ闘い、時子は三種の神器とともに帝の手を取ります。

そして、すべてを目に焼き付けようとするびわの姿がそこにありました。

いよいよ衝撃のクライマックス！！

この第11話の最後に誰が生き残ったのか、明らかになっています。

最後までお見逃しなく！！

出典：（C）「平家物語」製作委員会

アニメ「平家物語」の音楽

アニメ「平家物語」の世界観を表現した音楽にも、ご注目！

アニメ「平家物語」主題歌

アニメ「平家物語」エンディング曲

アニメ「平家物語」オリジナルサウンドトラック

おすすめ度

収録曲

the beginning／boy’s own／unknown plan／ほか、全43曲

アーティスト

牛尾憲輔

和と洋がバランスよく混じったサントラでした。

琵琶や琴、笛の音がするかと思えば、ポップス、ハウス系の楽曲も入っています。

＂和＂である平家物語に、テクノ調の音楽が流れることにまったく違和感がないことに驚きを隠せません。

作業用BGMとしても最高の1枚です。

個人的には、『boy’s own』、『requiem phases』、『purple clouds』をおすすめします。

ぜひ一度、聴いてみてください。

OP・ED主題歌は収録されていません。

アニメ「平家物語」 まとめ

今回は、アニメ「平家物語」についてご紹介しました。

「平家物語」自体の作者は不明で、1人の人物によって書かれた物語ではありません。

諸説ある、アニメ化するのは非常にむずかし題材を扱ったのではないかと個人的には思います。

ですが、実際にアニメを見ると「歴史が苦手な人でもわかりやすいな」と感じました。

これなら平家物語ファンでなくても、この物語に興味をもつ人が増えてくるでしょうね。

今後、どのような展開になっていくのか楽しみです。

また、新しい情報が入り次第、ご紹介します。

それでは、今回はこのへんで。

ご覧いただきありがとうございました！